「自分を大切に」をとことん、ていねいに。

「自分を大切に!」とか、
「自分の好きなことをやろう!」とか。
そういうフレーズを目や耳にすること、増えました。

その言葉のウキウキしたあたたかさに惹かれて、
“そうだ!
自分を大切にして、好きなことやるぞ!”
と心がけてる人も多いと思うのですが。

“…でも、なんかうまくいかないんだよねー…”
って思ってる人も、意外と多いんじゃないかなと思ったり。

私はむしろ、これほどまでに
「微細なていねいさを求められる作業」って
そうはないんじゃないかなあ、って思ってるんです。

何故なら、本当はそれって
「自分の中の、ちいさなちいさな誤魔化し」に
コツコツ気づき続ける作業に、他ならないから。

のどがかわいたけど、水を飲むのを後回しにした。
お手洗いに行きたいけど、ガマンした。

いま、目の前の人に、曖昧な返事をした。

“自分を大切に、好きなことを”って、
とりあえず部屋の中で
グータラ、ゴロゴロすることなのかなあ、
って思って、実際やってみたら
意外とそれほど心地よくなかったけど、
これが望んでたことだったんだ、ってことにした。

――こんな、日々の暮らしで
ごくごく当たり前に流していることの中に
「ちいさな誤魔化し」が隠れているのかも、って
気づき続けること。

“なんか、うまくいかない。
自分を大切に、好きなことをしてるつもりなのに
なんだか楽しくない”のは、
「自分を大切にして、好きなことをすることに
とことん、しつこくなりきってないから」
なんじゃないかなあ、って。

ただ。
是非とも知っていてほしいのは、これは
「そんな自分のいいかげんさを見つけ、責め立て、正す」
ための作業なんかじゃ、決してないということ。

「自分の中の、ちいさなちいさな誤魔化し」に
気づいても、それを責める必要なんて、全くない。
だって、その誤魔化しで、
もう充分、あなたは疲れているはずなのだから。

「自分の中の、ちいさなちいさな誤魔化し」に
絶えず視線を注ぎつづけるのは、
深いところから、あなた自身の心を救うため。
大切モドキ、好きなことモドキに
あなたの心を、占められたりしないため。

この作業には、夢のような魔法なんてなくて。
“いまの自分は、「ほんとう」だったかな?”
って、大切な人の話を聴くように
耳を傾け続けるしかないのだけれど。

…でもね。
続けると、いいことありますよ。

だってね、いつの間にか
「世界もあなたを大切にしてくれるようになる」
っていう素敵な特典が、もれなくついてくるんですもん。

 

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